富士瓦斯株式会社 社長 津田維一氏

(小澤)本日は、お忙しいところ、ありがとうございます。今日は経営セミナーの企画運営会社も経営され、最先端の経営戦略論にも造詣の深い津田社長に、先ごろ完成した富士瓦斯株式会社のオフィス全面リニューアルについてお聞きしたいと思います。
(津田)今回の全面リニューアルは富士瓦斯の60周年記念事業として、これからの働き方を念頭に、経営施策として実施しました。
(小澤)特にどのようなことに留意されてリニューアルのプロジェクトを推進されたのでしょうか。
(津田)常々、オフィス環境が社員の働き方やモチベーションに多大な影響があると考えており、企業文化や働き方を見据えたドウマのコンサルティングに共感する点があり、協力を要請しました。一番留意したのは、これからの事業展開を考えた時、先ず社内のコミュニケーションをより活発にし、事業部ごとに別会社のような状態から脱却することでした。
(小澤)当初、ドウマとして推奨したオフィスづくりの指針について、津田さんはさらに踏み込んだソリューションを求められました。ひとことで言うと、組織のまとまりをある程度意識して全社の交流を進めるオフィスではなく、組織の枠を取り払って、働き方で社員を分類し、それぞれの働き方に応じたオフィスをつくることで、半ば強制的に全社の交流を図っていくという考え方にシフトした訳です。
(津田)部門の垣根をぶち壊すには、それぐらいしないと駄目だろうという考えがありました。弊社は部長クラスが自立しており、組織としてのまとまりはある方ですので、オフィス環境で組織を混在させたとしてもそれ程混乱はなく、むしろコミュニケーションの活性化というメリットが引き出せるという判断です。
(小澤)結果的に、社内にいることの多い事務系の「レジデント」、社外にいることの多い営業系の「モバイラー」、そして社内での移動が多い「ノマド」という3つのタイプに社員を分けて、3フロアをそれぞれのワーカーのためにつくり込みました。当然、それぞれの組織にこの3つのタイプのワーカーが存在しますから、必然的に交流が促進される訳ですね。
(津田)予想通りフロアごとに人口密度も違い、雰囲気も大きくことなるオフィスとなり、部門を越えた社員同士の交流もかなり深まったと感じています。管理職クラスもよりフットワークが軽くなり、活気が出てきたようです。
(小澤)これまでにない働き方のためのオフィス環境ですから、多少の混乱はあったかも知れませんが、それは経営施策としてのオフィスづくりを実践された証拠でもあります。今日お話しを聞いて、今後ますます新しいオフィスが活用され、御社のビジョンがさらに実現されることを確信いたしました。本日は、ありがとうございました。