専門誌OEに連載第10回が掲載されました
ワークプレイスコンサルティングの現場から
-第10回-
DOUMA代表
小澤清彦
素早い行動の落とし穴
社員を巻き込むプロセスは時間がかかる。一方、多くのマネージャーにとって「マネージメントすること」は今すぐに行動することを意味する。社員との対話は、際限がなく、曖昧で、時間がかかり、感情的になることも多い。すぐに行動を起こせば、その成果は具体的で曖昧なところがなく素早く成果が見えると思われがちだ。MITの教授ダニエル・キム氏が提唱した、組織の成功循環モデル(図表1)で言えば、結果の質を変えるために行動の質から変えようとする逆サイクルになっていることに気付かない場合が多い。したがって、本音の部分でマネージャーが社員との対話に消極的で懐疑的なのは容易に理解できる。