専門誌OEの連載第6回が掲載されました
ワークプレイスコンサルティングの現場から
-第6回-
DOUMA代表
小澤清彦
個人とチームのパフォーマンスの均衡を保つ
もしも、個人の生産性とチームの効率性を同じコインの両面として見なすならば、知識のネットワークの価値は明確である。個人は勿論のこと、チームにおいてはなおさら、情報の自由な流れが重要である。なぜなら、アイデア、専門知識、特別な技術の共有、タイミングのよいフィードバック、目標や目的に対するコンセンサス、最善の方法の明確化と迅速な周知徹底、同僚の問題解決への援助など、これら全ては、判断、裁量、公平性、専門知識といった資質を信頼できるほどに相手を充分知ることから生まれるからだ。近くで働く人々を小さいグループとして構成することによって、これらのことは可能となる。
ただし、小チームの環境にも緊張が生じることは事実だ。我々は、一緒に仕事をする人すべてが好きなわけではない。Eメールや携帯電話、インスタントメッセージング、デスクに居ながらのテレビ会議といった技術の進歩にも関わらず、我々は微妙なメッセージを伝える必要のある場合、フェイスツーフェイスのコミュニケーションに依存し、そのほうが好ましいと思っている。それは、ブレーンストーミングであったり、勤務状況のフィードバックであったり色々だ。小規模のチーム用のクラスターはこの種の交流を最も促進する。ここで重要なのは、社員というものが常に仕事をしているべきであり、おしゃべりやつきあいなどは仕事ではない――といった考えを捨てることである。