株式会社 職人の森 代表取締役 佐々木重孝
オフィスづくりにも環境への配慮が求められている現代、ドウマでは株式会社職人の森とタイアップして杉の間伐材を利用したオフィス家具の製作を進めています。今回は、職人の森代表取締役の佐々木さんにお話を伺いました。
小 澤:先日は、弊社のセミナー会場に杉の間伐材によるオフィスデスクを展示していただきました。お蔭様で、セミナー参加者からは「こんなデスクで仕事をしたら癒される」など、大変好評をいただいています。
佐々木:ありがとうございます。これまで弊社では家庭用の木製家具に杉の間伐材を利用した製品を作ってきました が、特に日本のワーカーは職場で過ごす時間のほうが家庭で過ごす時間より圧倒的に長いですから、是非、オフィスでも杉の無垢材による家具の良さを味わって いただけたらと思います。
小 澤:職人の森という会社を始められたきっかけは何でしょうか。
佐々木:これからの日本の林業と環境に優しい木製品を考えたとき、杉の間伐材をもっと有効利用することが一石二 鳥ではないかと考えました。ご承知のように間伐材は森を守るために山の樹木を間引く際に発生する副産物ですが、資源の有効利用の点で、廃棄するのはもった いないですし、この資源を使うことにもっと目覚めれば、それが林業の生産者にとっての仕事にもつながり、山だけでなく産業を守ることに通じるわけです。そ んな思いから職人の森を立ち上げました。
小 澤:杉というのは古くから日本で使われた素材ですが、さまざまな特徴をもっているとお聞きしましたが。
佐々木:杉の木目は、見た目も美しく温かみさえ感じ、肌触りもよく室内の湿度調節にも役立ちます。そしてその香 りは気分を落ち着かせるリラクゼーション効果もあるといわれています。ですから、昔から日本では、杉は住宅の柱や天井をはじめ、壁や屋根の板、階段や扉な ど、日本家屋の隅々に使われていました。また、杉は軽くてしなやか、粘りがあり加工が容易、木肌も柔らかく艶があり、木目が美しい意匠となります。
小 澤:今回弊社と商品企画を進めている杉間伐材によるオフィス家具シリーズMORINO(モリノ)ですが、表面塗装にもこだわりがありますね。
佐々木:そうです。やはり無垢材の風合いを味わっていただくためには、他の間伐材のオフィス家具に見られるよう な表層を別の人工素材で仕上げることはせず、自然素材の撥水材や塗料で仕上げています。表面の硬度は従来のオフィス家具に使用されているメラミンなどに比 較すると低くなりますが、ある程度古くなったら再度鉋がけすることで新品同様の表層に生まれ変わります。こうしたリニューアルのあり方も提案したいと思い ます。
小 澤:確かに表層を別の素材で覆わないことで、杉本来のいい香りも楽しめますし、オフィス全体の雰囲気が森の中のようにさわやかになることと思います。是非、このMORINO(モリノ)シリーズの家具でオフィスづくりをしたいと思います。本日は、ありがとうございました。